ピアノの仕組みーペダルの種類と意味①〜グランドピアノのペダルの仕組みとその使い方〜

こんにちは。木山音楽教室ピアノ講師の石田真亜沙です。

ピアノの仕組みシリーズ、第四回目の今日は、ペダルについて。

ペダルの仕組みや役割は、グランドピアノかアップライトピアノかで異なります。
今回はまず、グランドピアノのペダルのお話をします。


現代のピアノには3つのペダルがあります。

グランドピアノの場合、演奏者から見て右側から順番に、

ダンパーペダル
ソステヌートペダル
ソフトペダル

となります。

ソフトペダル(左)、ソステヌートペダル(中央)、ダンパーペダル(右)

それぞれの機能について説明していきましょう。

まず、一番右側のペダルはダンパーペダルと呼ばれています。
ラウドペダル、フォルテペダル、サスティニングペダルとも呼ばれます。

ピアノの仕組みシリーズ第1回目の『ピアノの仕組みーピアノは打楽器?弦楽器?』の中で、ピアノの鍵盤をたたくと、そのアクションにより、振り子のように鍵盤が上がって、ピアノの中にあるダンパーとハンマーへ伝達し、ダンパーが上がり、ハンマーがピアノの中の弦をたたくことによって音を鳴らす、という仕組みのお話をしました。

こうして音を鳴らした後、鍵盤を離すと、ダンパーが下がり、音が止められます。ピアノの改良に伴い、鍵盤を離しても音を伸ばし続けるために、一時的にダンパーを弦から離すという装置が開発されました。

1780年代にイギリスのジョン・ブロードウッド(John Broadwood 1732年10月6日 – 1812年7月17日、後のブロードウッド・アンド・サンズの創業者)によって開発されたこの装置が、今のグランドピアノ、アップライトピアノ、電子ピアノの右側のペダル、ダンパーペダルです。レッスンの中でペダルと呼ぶときには、主にこのダンパーペダルを指します

最初は膝で押し上げて操作をする仕組みだったようですが、当時のピアノは木製のピアノでとても軽く、勢いよく押し上げるとピアノごと上がってしまうことも多々あったようです。

足先での操作ができるようになったことで、押し上げるよりもはるかに容易になり、細かい動きによるペダルの調整もできるようになりました。

1800年前後には音域によって使い分ける分割ダンパーも存在していたようですが、やがて全域ダンパーに統一されます。ですが、現代のグランドピアノ、アップライトピアノにおいては、高音域の鍵盤は、他の音に比べて弦が短いことから、音の衰退が早く、消音機能のあるダンパーそのものがついていません。

現代の電子ピアノにも、グランドピアノとアップライトピアノを忠実に再現するためにその機能がついているものが多く存在します。

高音域のどの音からダンパーがなくなって音がのびやかになるかをぜひ弾いて確かめてみてください。楽器によって違うのでいろいろ試してみるのも良いと思います。

続いて、真ん中のペダルについてお話しします。これはグランドピアノでは、ソステヌートペダルと呼ばれています。
ソステヌートとは、その音を十分保持してという意味をもっています。
部分的にダンバーを開放するという機能を持っており、音がたくさん出るときに低音だけ残したい、この音を聴かせたい、という時に使用します。これは19世紀にニューヨークのスタインウェイ社が開発しました。

そして最後に、左のペダルについて。これはソフトペダルと呼ばれています。音を柔らかくする、音を小さくするという機能を持っています。

ソフトペダルを踏むと、鍵盤とそれに伴うハンマーなどのアクション全体が右に数ミリずれ、今まで弦にあたっていない柔らかい部分にハンマーが当たることになり、少し柔らかい音色が出ます。ずれるのでシフトペダルとも呼ばれます。

さらに踏み込むと、打鍵する弦の数が一本減る仕組み(ピアノは一つの音に対して弦が三本張ってあります)になっており、音の響きを弱めることが出来ます。

1821年に完成したベートーヴェンのピアノソナタ第31番 変イ長調 Op.110 第3楽章の楽譜には、ソフトペダルの使用に対する指示で「1本の弦で(una corda)」「全ての弦で(tutte le corde)」「徐々に全弦で(poi a poi tutte le corde)」といった表記がある事から、その当時のソフトペダルは1本の弦のみでたたく、2本でたたくという選択をすることもできたようです。

(出典:西洋音楽史再入門 4つの視点で読み解く音楽と社会/村田千尋・著)


ここまで、グランドピアノのペダルについてのお話をしました。

次回はアップライトのペダルについて、グランドピアノのペダルとどのように違うのかをお話します。


石田真亜沙
(センター南教室・ピアノ/絶対音感/ソルフェージュクラス担当)

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