ヴァイオリンの飛行機内持ち込みについて

こんにちは、ヴァイオリン講師の吉迫楓莉です🌸

今回は、意外と知らないヴァイオリンの「(飛行機への)機内持ち込み」について取り上げたいと思います。

私は地方でのお仕事や、音楽セミナーに参加する為に楽器と共に飛行機に乗り込むことも多いのですが、何かと楽器の持ち込みには毎度気を遣っています。

まず、航空会社による「機内持ち込み物の大きさ規定」について見てみましょう。

楽器ケースの3辺の合計が115cm以内(100席未満の機種は100cm)の場合、持ち込み手荷物として機内へのお持ち込みが可能です。』(ANA公式HPより抜粋)

ここで一度、楽器自体の大きさについてお話致します。

ヴァイオリンは、子供から大人になるまでの体の大きさに合わせて、適宜サイズを変えていく楽器です。

子供用に使用される楽器が分数ヴァイオリンと呼ばれ、一般的には大きさが6種類あります。それぞれ1/16、1/10、1/8、1/4、1/2、3/4サイズとなっています。

左から1/8,1/4,1/2,3/4(木山音楽教室所有)

それに対し、大人用の大きさをフルサイズと呼びまして、体格によるものではありますが、小学校高学年〜中学生くらいの年齢になると手にすることになります。(私は小学校6年生の時にフルサイズになりました❗️)

フルサイズ(木山音楽教室所有)

私の祖父母は遠方に住んでいましたので「おじいちゃんおばあちゃんに練習している曲を聴かせたい!」と思った幼少期、楽器を飛行機に持ち込んだ経験があります。同じような体験をされた生徒さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

まず、分数ヴァイオリンは、機内の持ち込み規定に一切引っかかる心配はございません🙆‍♀️

そのまま保安検査場にお進み頂いて、飛行機内では座席上の収納棚に収納してください。

しかし問題なのが、フルサイズの楽器です。

楽器自体は、全長約60センチ程度、厚みが約3センチ、横幅は、1番長さのある部位でも20センチ程度になります。これに加えて弓は約73〜74.5センチですので、楽器と弓単体では規定内に余裕で収まっています。

しかし楽器を単体で持ち運ぶことなどそうありませんので、焦点となってくるのが「楽器ケース」の大きさになります。

お見かけしたことがある方も多いと思いますが、ヴァイオリンケースには、例外を除いて以下の2種類があります。

四角い箱型(角型、オブロング型とも呼ばれます)

四角い箱型

しずく型(三角型、ひょうたん型とも呼ばれます)

しずく型

大きさはメーカーによって全長、厚みに差がありますので一概には言えないものの、「四角い箱型のケースは機内持ち込み不可」なのは確定事項です💦

持ち込み出来ないとなると、旅客手荷物扱いになりカウンターでお預けする、もしくは搭乗する便の座席を一人分確保しなくてはなりません。

前者は、繊細なヴァイオリンを扱うにはあまりにも危険ですし、後者は金銭的な問題があります。

そのため、ケースを買う際には、予め機内持ち込み可能であるサイズのものをお選びになることが1番良いと思います

またもう一つの手として、航空会社の貸出用のケースを使用できる場合があります。こちらはANAやJAL等が該当します。この場合、お持ちのケースが旅客手荷物としてお預けという形になり、中身だけ貸し出し用のケースに移し替え、機内持ち込みすることになります。

規定内に収まるケースが手元にはないけれど、フルサイズの楽器を機内に持ち込みたい!という際には、ケース貸出を行なっている会社を選択することをお勧め致します。

最後に、以前私が経験した飛行機会社との苦い思い出をご紹介致します。

目的地へ行くに際して利用した某航空会社の保安検査にて、普段使っているしずく型楽器ケースの持ち込みを許可されました。そのため行きの便ではケースを座席上の収納棚に収納し、問題なく飛行機に乗り込むことができました。

しかし帰りの便では、行きの便と同じ航空会社にも関わらず、規定違反していると責められてしまい、もう一人分の席の当日券購入を求められたのです。その航空会社はケースの貸し出しを行なっておりませんでしたので、結局私は飛行機をキャンセルし、1日かけて陸路で帰宅致しました😱

実際、私の使用している(しずく型の)楽器ケースは、明確に「機内持ち込み可能」と謳われている商品ではなく、「この商品が機内持ち込みできなかったという報告はございません」というような書き方をされていたものになります。

しかし、行きの便で許可されても、帰りの便で私のような目に遭う場合がある!ということを踏まえますと、やはり明確に「機内持ち込み可能」と記載されているものを買うべきだと思います。ヴァイオリンケースをお買い上げの際は、その辺りに十分注意を払って頂けたらと思います!!

遠方持ち込みに何かと気を遣うのが楽器事情ですが、心配事や不安要素の無い、楽しい空の旅をして頂く為に、少しでもこちらの記事がお役に立ちましたら幸いです。

以上、ヴァイオリンの飛行機内持ち込みについてでした🎻

吉迫楓莉
(センター南教室・ヴァイオリンクラス担当)

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