歌詞を読んでみよう

こんにちは!声楽・ヴォイトレ講師の下倉結衣です。

さて、最近とあるレッスンで童謡を取り上げました。童謡はオペラやイタリア歌曲等と比べると、旋律は単純ですし、特別な発声テクニックが無くても歌えます。しかし、歌い進めていくうちに、歌詞の美しさに改めて気づかされました。

声楽・ヴォイストレーニングのレッスンと聞くと、発声を改善し、音程やリズムを正しく歌えるようになる為のものに聞こえてしまいますが、それだけでは楽しくないですよね。

歌にはクラシック、ポップス、ミュージカル、演歌、ジャンル問わず殆どの場合、歌詞が存在します。その歌詞が伝わるように心を込めて歌う事も、発声を学ぶことと同じ位、大切です。

しかし、いざ曲を目の前にすると、「どんなリズムか」、「どれくらいのテンポか」、「どんな旋律か」に目が行き、さらに歌い進めると「どうしたら良い声が出るか」に意識が行ってしまいがちです。すると歌詞はただの文字になり、正しい音程やリズム、良い発声で歌えたとしても、音楽は無機質なものになってしまいます。そうならない為には、「どんな歌詞か」を考える時間はとても大事になってきます。

例えば「太陽」という言葉が歌詞に出てきた時、どんな事が思い浮かぶでしょうか。オレンジや赤、黄色、明るい、燦燦と降り注ぐ光、春のぽかぽか陽気、暑い、ジリジリという音、等々。明るくて暖かい人柄を「太陽みたいな人」という言い方をする場合もありますね♪

さらに具体的な言葉はなくても「」や「」には、言葉にならない思いが隠されているかもしれません。このように歌詞に出てくる言葉を、様々な角度から想像すると、今まで見えなかった曲の新しい世界が見え、徐々に色づいていきます

そして、その歌詞を声に出して読んでみると、声色、読むスピードや間、呼吸も決して一定ではない事に気が付きます。また言葉が持っている響きや、イントネーション歌詞のリズム(韻を踏んでいる等)も、実際に声に出すことで感じる事ができます。そのうちに、歌詞が生き生きした言葉になっていきます。

このように歌詞をじっくり読んでから歌うと、楽譜という平面なものが、立体的で豊かな音楽に変わっていきます。そして何より、今まで以上に歌う事が楽しくなるかと思います♪ 楽譜を開き気合を入れて、「さあ!歌うぞ!」の日もあって良いですが、たまには「今日はじっくり歌詞を読んでみよう!」という日を作ってみるのも、楽しいですよ♪

下倉結衣
(センター南教室・声楽/ボイストレーニングクラス担当)

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