声の高さと種類について

こんにちは!声楽講師の下倉結衣です。

今回は声の高さと種類(女声)についてお話したいと思います。

女性の声はソプラノメゾソプラノアルトに分かれます。

簡単に言うと、ソプラノは音域が上の女声、メゾソプラノは音域が中間の女声、アルトは音域が下の女声を表します。このように大きく3つの声種で分かれています。

ソプラノ 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アルト 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ※メゾソプラノはこれらの中間です。

しかし、実際には同じ声種の中でも響きの明るい声質、力強い声質、軽やかな声質、深い音色の声質等、それぞれ個性があります。

単純に「音域」だけで区別するのではなく、その人が持っている「声質」や「特性」が、実はとても大事なのです。

実際に高い音域まで歌えるメゾソプラノ歌手もいますし、中間音域が豊かに響くソプラノ歌手も存在します。朗々と声を響かせることのできる歌手もいれば、コロコロと声を転がすことが得意な歌手もいます。

例えば、モーツァルト作曲:オペラ《魔笛》夜の女王「復讐の心は地獄のように胸に燃え」はソプラノによって歌われる有名なアリアです。この曲は特に高い音が連続で出てきます。さらに音が跳躍したり、コロコロと転がったりするフレーズがあるので、非常に技巧的な楽曲でもあります。その為、ソプラノの中でもコロラトゥーラソプラノと言って、声を俊敏にコロコロと動かす事ができて、さらに高音を得意とする歌手によって歌われます。

コロラトゥーラメロディーの出だしの楽譜(著作権者:User:Lebha、ライセンス:CC by-sa 3.0、<Wikipedia>)

反対に、このような声の特徴を持ったソプラノ歌手が、豊かな響きや叙情的な表現が必要なプッチーニ作曲:オペラ《蝶々夫人》蝶々夫人のアリア「ある晴れた日に」をレパートリーとして歌う事は殆どありません。

メゾソプラノにおいても同じことが言えます。ロッシーニ作曲:オペラ《セビリアの理髪師》ロジーナのアリア「今の歌声は」を歌うメゾソプラノは、声に俊敏性、軽やかさ、また幅広い音域が必要になってきます。しかし、同じメゾソプラノでもヴェルディ作曲:オペラ《イル・トロヴァトーレ》アズチェーナのアリア「炎は燃えて」のような曲は、ロッシーニのオペラとは反対に、中間音域から低音部分が豊かに朗々と響く声でなければなりません。

このようにオペラの場合は、音域だけが問題なのではなく、役柄の雰囲気や自身の声の特性、声質によって、歌える役と歌えない役がでてきます。つまり、プロの歌手であったとしても歌えない曲や、得手不得手が必ずあるのです。

レッスンをしていると、「声が小さくて・・・」「高い声が全然出なくて・・・」と自信なさげにお話しされる方をお見掛けします。

でも、高い音が出ないからダメな訳ではありませんし、声量が足りないからと言って、自信を無くす必要はありません。どんな声であったとしても、一人ひとり大事な個性なのです。

もちろん、レッスンではそのような悩みを一緒に改善できるようにつとめています。ただ、それよりも私は皆さんそれぞれが持っている、自分の声の良い所を、沢山見つけて欲しいなと思っています。

ほんの些細な事でも、声に不安や悩みがある方はぜひ、お気軽に一度お教室にいらしてください♪

下倉結衣
(センター南教室・声楽/ボイストレーニングクラス担当)

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