ピアノの仕組みーピアノの鍵盤数の歴史①

こんにちは。木山音楽教室ピアノ講師の石田真亜沙です。

ピアノの仕組みシリーズ、第二回目の今日はピアノの鍵盤についてお話していきます。

皆さんは、ピアノに鍵盤がいくつあるかご存知ですか?
ご自宅にピアノがある方は是非数えてみてください。

現代のピアノでは「88鍵(7オクターヴ+4鍵)」が標準です。

88鍵もなかった、という方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。
少なかったという方は、電子ピアノやエレクトーンの鍵盤を数えたのではないでしょうか。
多かったという方はほとんどいらっしゃらないと思います。

一般的に用いられる、グランドピアノとアップライトピアノには、鍵盤は88鍵存在します。

では、88鍵盤よりも多い鍵盤のあるピアノは存在しないのでしょうか?

実は存在します。

ベーゼンドルファーという会社で作られたコンサートピアノの中で、97鍵持っているものもあるのです。88鍵に合わせて、低音に9鍵加わっています。

この拡張された低音9鍵は、

鍵盤の色が、通常は白鍵と黒鍵で色分けされているはずが、全て黒鍵になっている(白鍵の表面が黒くなっており、鍵盤を前から平行に見ると白い)

という点と、

(一時期は)使用しない時の為に9鍵専用の蓋が被せられていた

という点で、他の88鍵とは扱いがかなり異なります。

黒く塗られているベーゼンドルファーの低音9鍵。(著作権者:KAMEDA,Akihiroさん、ライセンス:CC by-sa 3.0、<Wikipedia>)

バルトーク『ピアノ協奏曲第2番作品95』や、ラヴェル『水の戯れ』では、この音域も楽譜に書かれていたようです。

ですが、この低音9鍵は、演奏用として役割を果たしていた訳ではなく、低音に共鳴する弦を足して、響きをより豊かにするために存在していたとも言われます。

なぜ演奏用として役割を果たさなかったのでしょうか。
なぜ88鍵よりも多い鍵盤のピアノは一般的に使われることがほとんどないのでしょうか。

最も大きな理由として、人間が聴き取ることができないというものがあります。
現在のピアノの88鍵(7オクターヴ+4鍵)は、人間が音程として聴き分けることができる範囲のちょうどいいところなのです。これ以上鍵盤数を増やして音域を広げても、音程として聴き分けることが難しくなり、ノイズ音のように聴こえてしまうのです。

その他の理由として、これ以上鍵盤数を増やすとピアノ自体が大きくなり部屋に入れることが難しくなるという現実的な問題もあります。

次回は、ピアノの鍵盤の数がどのようにして増えていったのか、ベートーヴェンのピアノ作品とともにお話していきます。


石田真亜沙
(センター南教室・ピアノ/絶対音感/ソルフェージュクラス担当)

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